TEL 045‐509‐1132




トップ
●診療科目
●病院紹介
  当院の枠組み
  受診の流れ(予約)
  受診の流れ(初診)
  受診の流れ(再診)
  受診の費用
●診療時間
●アクセス
●院長紹介
●Q and A
●プライバシーポリシー
●合同会社T.D.M.労働衛生研究所











Q and A

[夫が仕事を休む]

当院へのご質問をまとめてみました。
(お名前はニックネームとなっています)
回答は個別症例への対応を念頭に置いているため、必ずしも一般化できない点にはご注意ください。

[ 11] 2012-04-09
花さんからの相談
 [夫が仕事を休む]

Q

夫は自営業で飲食店を経営しています。
約三年前から、2、3ヶ月に一度くらいのペースで仕事を休むようになりました。
日数は3日〜1週間くらいで、仕事上の悩みがあったり、やる気がでないから休む、とのこと。
休んでいる間は、食べる、寝る、テレビ、パソコンをくりかえす感じですが、日ごろからこういうタイプです。
ふだんと違う所は、無気力、会話を拒否するところです。
普段は週1でお休みをとっていて、仕事の悩みを愚痴ったり、日ごろから眠りが浅く、眠れてもすぐに目が覚めることも多いようです。
罪悪感はあるようで、休んだあとはまた仕事をして、今後は休まない、と言いますが、しばらくするとまた同じように休みます。
私には、ただの怠けや甘えにしか見えないのですが、うつの病院をすすめる人もいるのでアドバイスをお願いいたします。

A

お問い合わせありがとうございます。
ご記載の内容からは、ご主人の自覚的症状、年代、生活史、モノの考え方などが不明ですので、一般的な可能性・私見を述べるに留まる点はご了承ください。

まず最初に思うところは、飲食店経営者として2〜3か月に3日〜1週間の休みを取ることは、かなり異常なことなのか?という事です。
私の知人の飲食店経営者は、10年以上休みなしで毎日営業を続けている方もいれば、一方では週数日しか店を開けず、さらに年に数回勉強のため数週間海外渡航して休業としてしまう方なども居て色々です。
それぞれにはそれぞれの言い分があり、どちらが正しいというものではないと思います。
異常か否かを検討する時に必要な標準モデルが、自営業をしていらっしゃる場合はかなり幅広いものとなる印象を持っています。
花さんとご主人の自営業者としての認識が、そもそも食い違っている可能性はないか?と思いました。
ご主人が三年以前までは週1日の休業のみで営業を続けてきたのであれば、現在もそのやり方で良しとしているのだろうか、という事が気になります。
他のやり方に変えたい思いがあるのだが、様々な制約からそうはできずにそのせいでやる気を失っている可能性がないか?と思いました。
万一そうであるときは、それは甘え怠けとは言わずとも、医療モデルとしてはとらえず、現実的な自己実現の問題として取り扱うべきかと思います。

と申しますのも、一般的に医療受診をする目安としては、
.現在の状態が今までになく悪いものへと
   変化しているか?(障害の契機)
.その変化により本人が苦痛を感じているか?
   (自覚的苦痛感)
.またその変化・苦痛により日常生活が著しく
    障害されているか?(生活障害)
ということが大事だと思うのです。
(メンタル疾患の場合は、病状が進行すると自分が病気であるという認識「病識」が、
障害されてしまうこともあり、本人が意識せずに周囲への迷惑行為を生じてしまうという事も受診原因として加えられますが、それであっても上記3つの要件が受診理由の幹であることには変わりはありません。)
逆に3つの要件に当てはまっており、その原因を病気によるものと本人が考えれば、怠けでも甘えでも、単なる悲哀でも、自己実現の滞りでも、最近は自らメンタル受診してくる場合が多いのも事実です。

その観点からもう一度ご相談内容を拝見しますと、
.三年前から何か変わったようであるが、
  それ以前との程度差・原因は不明。
.仕事上の悩みがあるらしい、睡眠障害がありそう、
   意欲低下もあるかもしれない、
  そのせいか妻である花さんとの交流を拒みがち。
.本人的にも許容できない休み方をしているが、
   それを自ら制御できないでいるらしい。
  その理由が花さんにもわからない。
  それがどの程度に日常生活に支障を
     きたしているかは不明。
という感じに整理できます。
もちろん病識が欠如してしまっているような状態ではないと考えられます。

そうなりますと次に確認するのは、現時点で本人にを理由に受診する意思があるか否かです。
1、3の不明な部分を確認するのと同時に、存在がありそうな睡眠障害の治療を行うことは、医療機関でできると思われるからです。
ただしそのためには、本人に受診・治療動機が必須です。それ無しには、本人がメンタルへの受診に至らないという事もありますが、仮に受診されても、「行けと言われたから来た」的な思いのままでの受診ですと、診察場面での情報聴取が十分に行えないためです。
ご主人の場合、何度も失敗しながらもその原因をメンタル不調に求めていないのは、精神科医療への抵抗感などはもちろんありますでしょうが、そもそも本人の中で「病気」以外に原因に思い当りがある可能性も考えられます。

そこで花さんへの助言となります。
花さんは本人を最もよく知る妻として、怠け・甘えではないかとの疑念を持ちつつも、こうやって夫を心配して医療機関に相談しているわけです。
しかし記載からは花さんからの客観的な状態しか読み取れず、本人の主観的な苦痛感が読み取れません。
結果何が理由で以前とは違う休み方をせざる得ないかが本人の口から説明されておらず、花さんが悩んでしまっているわけです。
それであれば一度本人の現状を責めてしまわないように気を付けながら、本人の体調を心配しているという事を前面に出しつつ、「何が良くない」がために仕事を休みがちになってしまっているのかを話し合ってみてはいかがでしょうか?
その上で、もし本人から睡眠障害や意欲の低下、もしかしたら抑うつ気分などが聞かれるようなら、それが「病気かどうか」診てもらうために、と受診を勧めてみてはいかがでしょうか?
一緒に暮らしていると色々とアラとして目に付いて責め立ててしまいがちですが、妻として夫の良き理解者でありたいのだというメッセージを送ってみると、ご主人も自身の内面を語ってくれるのではないでしょうか?

以上、ご質問趣旨に沿っているかどうかは心配なところではありますが、ご参考頂けるようであれば幸いです。

             
                  by Google MAP




院外での予防・啓発活動
・産業医活動等を行っているため、クリニック診療時間が不規則になっております。
ご迷惑おかけしますが、
ご了承のほどよろしくお願い
致します。